だから結局

So After All

2021年の映画ベストテン

去年ぐらいから映画を見ないといけないという義務感が一切なくなった。

「見るべき」というより「見ておきたい」で映画を見ても、ベストテンから漏れるぐらい面白い映画を見ることができ、不足・不満はない。『偶然と想像』が見れていないので、この後ランクインするかもしれない。

 

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1. ドライブ・マイ・カー

2. モーリタニア

3. パワー・オブ・ザ・ドッグ

4. すばらしき世界

5. ラストナイト・イン・ソーホー

6. ノマドランド

7. クーリエ

8. DUNE

9. マトリックス レザレクションズ

10. フリー・ガイ

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当然こうなるという我ながら面白味のないランキングになった。とくに見逃している映画もなく、見るべき映画は見たうえでのランキングなので、これと同じベストテンがあふれることだろう。

次点に『007ノータイムトゥーダイ』、少し間があいて『孤狼の血LEVEL2』、『シン・エヴァンゲリオン』。

ワーストは『マルジェラが語る”マルタン・マルジェラ”』か『騙し絵の牙』。

映画館で見た作品として熊川哲也の『ドン・キホーテ in Cinema』が抜群に良かったが映画ではないのでベストテンには入れなかった。

 

 

ドライブ・マイ・カー

チェーホフの演劇ワークショップというモチーフだけで十分に意義がある。前半のタイトルコールまでの長い仕掛けが効いている。後半部分を覆う空白はわかる人にはわかるものだけど、そういう突き放した表現になっていないとすれば、違和感だらけで必要かと疑ってしまうあの前半パートがあるからだろう。岡田将生の退場のさせ方など、瑕疵があって完璧ではないものの、それさえも魅力になっている。

 

モーリタニア

1位でも良かった。あたまひとつ抜けてる完璧さ。印象に対する演出の力強さを感じさせる。

 

パワー・オブ・ザ・ドッグ

よくあるわかりやすさというサービスがないのに何が起こっているのかは明瞭。硬派な映画で印象が良い。何回か見たいと思わせるのもポイントが高い。

 

すばらしき世界

この映画で役所広司は二度死ぬ。一度目の死が胸苦しいほど鮮やかに描かれていてそれがとても良かった。

 

ラストナイト・イン・ソーホー

映画が一回しか見ない娯楽だとすればもっと順位が上でも良い。展開が読めるというのではないが、実際に起こったあとでそうだと思ったと追認される現象が面白かった。

 

ノマドランド

時々にあるちょっとした嬉しいこと、それを見つける実演が映画を通して描かれていて好ましい。フランシス・マクドーマンドがそれを演じられるというところに一番ドラマチックなものがある。

 

クーリエ

英ソの人たちが一緒にバレエを見るシーンが良すぎたためランクイン。

 

DUNE

IMAXレーザーで見るかぎり体験としてこれ以上のものはない。実際に砂漠に行くよりも砂漠を体験できる。

 

マトリックス レザレクション

MCUの影響を感じさせて面白い。物語の要請に従った選択をするにしても、そうしないことのリアリティをしっかり描けていたのが良かった。

 

フリー・ガイ

よくある英雄的逸脱についての話だけど、最後の畳み掛けで爆笑した。