だから結局

So After All

2019-01-01から1年間の記事一覧

【映画の感想】『イエスタデイ』

作品名:イエスタデイ 監督:ダニー・ボイル 公開日:2019年10月11日 鑑賞日:2019年12月28日 見に行ったきっかけ: ビートルズのイエスタデイが好きだったこと。ダニー・ボイル監督作品であること。自分の中でトレインスポッティング2の評価はかなり高かっ…

【映画の感想】『アナと雪の女王2』

『アナと雪の女王2』を見た。ミュージカルアニメとしてのジャンルを極めたような映画だった。数曲のMVを繋げて一本道を作ったような展開で、ストーリー好きは退屈しそうな話だったが、アナ派の自分にとってはアナが活躍しているだけで嬉しく、面白かった。 …

【映画の感想】『アイリッシュマン』

世阿弥の『風姿花伝』に、若きは若きときの、老いては老いたときの演じ方があるという意味のことが書かれている。こんな当たり前のことが書かれてあって、それが今も残っているというのはそのこと自体がメッセージになっていて、それはつまり、若いときのや…

【本のおすすめ】『掃除婦のための手引き書』ルシア・ベルリン

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集 作者:ルシア・ベルリン 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/07/10 メディア: 単行本 好きで勧めたいと思う本はいくつかあるが、その中でも、とりわけ女友達に勧めたいと思う本がある。この本は女友達の誰…

サハリン島のクラシーヴイ

『サハリン島』 アントン・チェーホフ p55-57 海岸と監視所の間の地域には、線路と、今書いた自由村のほかに、もう一つ名所がある。それはドゥイカ河の渡し場だ。水面にうかんでいるのは、ボートや渡し舟の代りに、真四角な大きい箱だ。この種のものではたっ…

東京4年生

パソコン音楽クラブ "Night Flow" Release Party at Shibuya WWW 2019/10/26 【 28:36〜 】 東京に暮らし始めて丸3年が経った。 3年あればいろんなことが変化する。スピーディというよりは目まぐるしい、ビッグ・シティ東京においては尚更だ。 たとえば渋谷…

昔より今のほうがいいという幻想

本を読む人にとって、本を読むことによる一番の危険はなにか。 本を読むことでその人が何を得たいと望んでいるか、という個々人のちがいを超えて、昔より今のほうが良くなっているという思い込みをしてしまうというのがひとつある。 読んだ本の数が増えるの…

原点としてのゼロ

自分は変化をよしとする価値観をよしとするので、なにかと変化を尊ぶきらいがある。バックボーンとか、出自とか、そういうもので自分を根拠づける考え方を潔しとはしない。 それでも、ある時期、これを支えにして生きていたなと振り返り見て思うコンテンツが…

お気に入りの電車広告

電車に乗っていて目につくのはなんといっても電車内の広告だ。ドア前に設置されている映像広告は暗唱しかねないほど毎日見ているし、入れ替わりのさかんな中吊り広告にしても全種類見ているのではないかと思うほど、毎日、電車広告を見ている。 気に入りの映…

最近のショパン

相変わらずショパンを聴いている。四六時中聴いているといってもいいぐらいだが、少なくとも、ヘッドフォンを装着しているときはショパンが流れている。 相変わらずショパンを聴いているという前言を早々に翻すようだが、最近のショパンを自分は、聴いている…

今年見た映画、読んだ本

今年見た映画がとても少なかった、今年読んだ本が全然なかった、ということをここ4年ぐらい毎年言い続けている。いやしかし今年はとくにひどい、10年に一度の怠惰さとインスピレーションのなさで、…というとほとんどボジョレーの売り文句だが、本当に毎年毎…

悪口の話

どうか Warukuchi と発音してください。 東京にやってきてから、いいなと思った人はみんな悪口がうまい。 自分はというと、悪口は言わないことにしていた。悪口を言って良いことなんかひとつもないじゃないか、それよりも面白いことの話、楽しかったこと、好…

僕はうっすら諦めている

僕はうっすら諦めており、何事によらず「あくまで追求する」ということがないので、日々の生活で摩擦を生じにくい。 世の中は、諦めていない人ときっぱり諦めている人の二種類に分かれていると感じる。諦めていない人は何かを追求し、その過程で顔面に強い風…

【映画の感想】『去年マリエンバートで』

昨日恵比寿ガーデンシネマで『去年マリエンバートで』という映画を見た。 『去年マリエンバートで』4K版に蓮實重彦、菊地成孔、平野啓一郎らが賛辞 - 映画・映像ニュース : CINRA.NET 自分が見た火曜19時の回は空席が目立つという域を軽く飛び越えてガラガラ…

【本のおすすめ】『可愛い女』A・チェーホフ

一番好きな作家は? と質問されて、かなり難しい質問なのにもかかわらず自分がチェーホフと即答できるのは、彼の短編に『可愛い女』があるからだ。チェーホフの代表作は小説というより戯曲で、『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『桜の園』『三人姉妹』のどれか…

久しぶり日記

・久しぶり日記とは 久しぶり日記とは、久しぶりに書く日記のことである。誰しも日記を書く習慣をつけようとおもっては三日坊主になるという体験をしているが、それをネガティブなものとするのではなく、ポジティブに捉えることが日記を再開するためには有用…

ショパン聴きまくりDays

ショパンを聴きまくる日々 ショパンを聴きはじめてから2ヶ月が過ぎた。クラシック音楽を聴いてみようと思い、どうせ聴くなら一人の作曲家に絞ってみようと考えた。ノイズキャンセリング機能をもつヘッドフォンを購入し、生活のBGMをショパンに定めた。 それ…

アベンジャーズエンドゲームをみた

アベンジャーズエンドゲームを見た。普通のハリウッド映画の主役級の俳優をふんだんに使っているのが贅沢だと思った。 前作インフィニティーウォーからガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが合流するのを機にアベンジャーズを見始めたいわゆる’にわか’の観点…

ブログを書いてみてつらかったこと

最近毎日働いている。毎日働くのは毎日休んでいた身にはさぞ堪えるだろうと構えていたが、そうでもなかった。ただ十分な睡眠時間を確保することを至上命題としているので、一日に自由に使える時間、いわゆる可処分時間が思う様少ない。 ちょっと本を読んでジ…

日記(3月13日)

今日も御茶ノ水から帰った。今通っている学校からは本郷三丁目のほうが近いのだが、本郷三丁目駅は近頃強烈な臭気に覆われており、せっかくの学校帰りに吐き気を催すのも嫌なので、遠いほうの御茶ノ水駅から丸ノ内線に乗っている。 サッカー通りから御茶ノ水…

もやしを食う馬

20代の頃、俺は周囲からうすのろだと思われていた。陰口を叩かれたとか、そういう態度でもって俺に接してくる奴がいたとか、そういうことではない。面と向かって木偶の坊だの塗り壁だの、指を指しては笑い反応がないのに笑い、酒を飲んでは笑ってきたのだ。…

Y島のドトールでのこと

Y島のドトールで『後藤さんのこと』を読んでいる時だった。正確には、『さかしま』(短編集『後藤さんのこと』所収)を読んでいる時だった。突然隣席の若い女に話しかけられた。 女はついさっきまで寝ていた。自分が『さかしま』を読む前、ネットワークの勉…

2月9日のこと

昨日、Nの墓参りに行ってきた。普通墓参りは命日に行くものなのかもしれないが、自分はいつも彼の誕生日を選んで墓参りをしている。彼にとって彼自身の命日は不本意な日付に違いなかったろうと思うからだ。そんなことを言ってもみてもしょうがない、自分の命…

人前で話すこと

この前、渋谷ロフトで開催されていたライターのプレゼン大会を見に行ってきた。 自分はプレゼンによわい。人前でプレゼンしているというだけで尊崇の念をおぼえてしまって、プレゼン内容に加点しまくってしまう。めちゃくちゃなことを言っていたとしても「人…

【本の感想】『FACTFULNESS』ハンス・ロスリング

「真実とは皆さんが考えているようなAではなく実際にはBなのです」 FACT(事実)を伝えるというとき、その言葉を使う裏にはこの回路が走っている。 その回路を読み取る力があり、その事実を自分が持っていなかったことから発する羞恥心が働くと、いかに事実…

【映画の感想】『ミスター・ガラス』

日曜日の夕方、公開直後の『ミスター・ガラス』を見てきた。空席が目立つ回で、席は半分も埋まっていなかったと思う。初週からこれだとすぐに公開終了になりそうだ。 ヒットとは言えない客入りだと思うが、広報は頑張っていると思う。『ミスター・ガラス』と…

【本の紹介】『スローラーナー』トマス・ピンチョン

スロー・ラーナー (トマス・ピンチョン全小説) 作者: トマスピンチョン,Thomas Pynchon,佐藤良明 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/12/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (14件) を見る 今後読む予定がない人のための…

【映画の感想】『シュガー・ラッシュ:オンライン』

以下は『シュガー・ラッシュ:オンライン』がとても面白かったと感じている人間によって書かれた文章です。ネタバレには留意しませんので注意してください(ネタバレが鑑賞の妨げになるような作品ではないと思いますが)。 もしまだ『シュガー・ラッシュ:オ…