だから結局

So After All

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

サハリン島のクラシーヴイ

『サハリン島』 アントン・チェーホフ p55-57 海岸と監視所の間の地域には、線路と、今書いた自由村のほかに、もう一つ名所がある。それはドゥイカ河の渡し場だ。水面にうかんでいるのは、ボートや渡し舟の代りに、真四角な大きい箱だ。この種のものではたっ…

東京4年生

パソコン音楽クラブ "Night Flow" Release Party at Shibuya WWW 2019/10/26 【 28:36〜 】 東京に暮らし始めて丸3年が経った。 3年あればいろんなことが変化する。スピーディというよりは目まぐるしい、ビッグ・シティ東京においては尚更だ。 たとえば渋谷…

昔より今のほうがいいという幻想

本を読む人にとって、本を読むことによる一番の危険はなにか。 本を読むことでその人が何を得たいと望んでいるか、という個々人のちがいを超えて、昔より今のほうが良くなっているという思い込みをしてしまうというのがひとつある。 読んだ本の数が増えるの…

原点としてのゼロ

自分は変化をよしとする価値観をよしとするので、なにかと変化を尊ぶきらいがある。バックボーンとか、出自とか、そういうもので自分を根拠づける考え方を潔しとはしない。 それでも、ある時期、これを支えにして生きていたなと振り返り見て思うコンテンツが…

お気に入りの電車広告

電車に乗っていて目につくのはなんといっても電車内の広告だ。ドア前に設置されている映像広告は暗唱しかねないほど毎日見ているし、入れ替わりのさかんな中吊り広告にしても全種類見ているのではないかと思うほど、毎日、電車広告を見ている。 気に入りの映…

最近のショパン

相変わらずショパンを聴いている。四六時中聴いているといってもいいぐらいだが、少なくとも、ヘッドフォンを装着しているときはショパンが流れている。 相変わらずショパンを聴いているという前言を早々に翻すようだが、最近のショパンを自分は、聴いている…

今年見た映画、読んだ本

今年見た映画がとても少なかった、今年読んだ本が全然なかった、ということをここ4年ぐらい毎年言い続けている。いやしかし今年はとくにひどい、10年に一度の怠惰さとインスピレーションのなさで、…というとほとんどボジョレーの売り文句だが、本当に毎年毎…

悪口の話

どうか Warukuchi と発音してください。 東京にやってきてから、いいなと思った人はみんな悪口がうまい。 自分はというと、悪口は言わないことにしていた。悪口を言って良いことなんかひとつもないじゃないか、それよりも面白いことの話、楽しかったこと、好…

僕はうっすら諦めている

僕はうっすら諦めており、何事によらず「あくまで追求する」ということがないので、日々の生活で摩擦を生じにくい。 世の中は、諦めていない人ときっぱり諦めている人の二種類に分かれていると感じる。諦めていない人は何かを追求し、その過程で顔面に強い風…

【映画の感想】『去年マリエンバートで』

昨日恵比寿ガーデンシネマで『去年マリエンバートで』という映画を見た。 『去年マリエンバートで』4K版に蓮實重彦、菊地成孔、平野啓一郎らが賛辞 - 映画・映像ニュース : CINRA.NET 自分が見た火曜19時の回は空席が目立つという域を軽く飛び越えてガラガラ…

【本のおすすめ】『可愛い女』A・チェーホフ

一番好きな作家は? と質問されて、かなり難しい質問なのにもかかわらず自分がチェーホフと即答できるのは、彼の短編に『可愛い女』があるからだ。チェーホフの代表作は小説というより戯曲で、『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『桜の園』『三人姉妹』のどれか…