だから結局

So After All

アベンジャーズエンドゲームをみた

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アベンジャーズエンドゲームを見た。普通のハリウッド映画の主役級の俳優をふんだんに使っているのが贅沢だと思った。

前作インフィニティーウォーからガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが合流するのを機にアベンジャーズを見始めたいわゆる’にわか’の観点からアベンジャーズエンドゲームの感想を書く。

 

視聴したことのあるアベンジャーズ関連の作品

アントマン&ワスプ

ガーディアンズオブギャラクシー1、2

キャプテンアメリカ

・アイアンマン1か2

 

アベンジャーズを通ってこなかったのはキャプテンアメリカが面白くなかったからだが、エンドゲームを見ると惜しいことをしたと悔やまれる。話の内容がわからないわけではないが挟まれる小ネタ、見る側にウィンクするような演出のいわくありげな様子だけが看取され、中身についてはよくわからないというシーンがままあったからだ。ガーディアンズオブギャラクシー関連の小ネタは最高のものが仕込まれていたから、その他作品の小ネタも関連作を見ていたらさぞや楽しめたんだろうと思う。

しかし、キャプテンアメリカ1は圧倒的に面白くなかった。アクション映画を映画館で見て寝たのは初めての体験だった。戦闘中に目が覚めて「まだ闘っているんかい」と内心舌打ちしてもう一度寝るぐらいの出来、ないし相性の悪さだった。2、3にあたるウィンターソルジャー?シビルウォー?の評判が良かったときも1が面白くなさすぎたせいで食指が動かなかった。

アイアンマンはたしか配信で見た。面白いと聞いていたので期待したのが裏目に出た。ハードルが上がりすぎていて肩透かしをくらった。

ガーディアンズオブギャラクシーは1、2ともに面白く見た。3を降板するという話だった監督のジェームズ・ガンが復帰・続投することになったと知り、小躍りして喜ぶぐらいには好きだ。

アントマン&ワスプも面白かった。具体的なことは覚えていないが映画館で声を出して笑った気がする。ヒーロー映画という構造を活かした笑いがしゃらくさくなく散りばめられていた。

考えてみるとコメディ路線じゃないヒーローものは受け付けないのかもしれない。シリアス一辺倒で展開されても物語に入り込めない。すごく早く動けるんですとかすごく賢い頭脳を持ってるんですとか言われても「あっそう」で終わる。ストーリーに余程のひねりがない限りは引き込まれないし、そもそも映画で見たいのはあくまで映像で、ストーリー的なひねりは第二義的なおまけ要素のひとつにすぎない。

 

今回のエンドゲームはアントマンの活躍で笑えるシーンが多かったのでインフィニティーウォーよりも退屈する時間が少なかった。あとはキャプテンマーベルも陰のお笑い要因として優秀だった。規格外の強さに周りが引いてる感じだとか、辻褄合わせとして物語の調整を担う「強引さ」を体現したようなキャラクターメイキングだとか、作り手が照れ笑いしながら舌を出している感がよかった。

あとはトニースタークの父親との会話、ソーの母親との会話シーンは常套的とはいえ感動するし、オープニングクレジットはインフィニティウォーの悪夢を一気に呼び覚ます演出で鳥肌が立った。タイトルコールもこのセリフでタイトルコールに行くのはずるいと思わせる、キャプテンアメリカのキャラクター(とディズニー製作)をうまく活かした小粋なやり口で、心の中で思わず膝を打った。

ただし、よくないところも結構あった。とくにサノスはかなり残念だった。前半の農場サノスは最後までクールだったのに、後半に登場するサノスは典型的な悪党キャラが言うようなことをいけしゃあしゃあとぬかすわ、勝ちを確信して馬鹿みたいに笑うわで散々だった。あと東京のシーンはかなりひどかった。思い入れがない身からすると爆笑して終わりで済むんだけど、映画の完成度にケチをつけるシーンには違いない。

あとはスパイダーマンがかっこよくない。かっこよくないというか背中に鉄の足を4本生やすと造形がヴィランになる。端的に言うと気持ち悪かった。スパイダーマンに関しては『スパイダーマン:スパイダーバース』が面白すぎたので相対的に失点が大きく感じられるだけかもしれないが。

あとはアクションシーンが地味だった。派手さを出すための手法が悪い意味でオールドスクール。完全に古びていて面白くない。とりあえず数で圧倒するというのはかえって単調さが際立ってよくない。これも『スパイダーマン:スパイダーバース』の実写ではあり得ないカメラワークのアクションシーンを見たから余計そう感じるのかもしれない。あの映画は全シーン全カットがチャレンジング、音楽と映像と物語が表現として一体になっているエポックメイキングな大傑作だったと思う。絶対にIMAXで見たほうがいい。世の中に絶対なんてことは滅多にないがこれは数少ない例外だといえる。アベンジャーズエンドゲームは物語に重点が置かれているので普通の上映でも十分楽しめると思うが、『スパイダーマン:スパイダーバース』は絶対にIMAX(できればIMAX3D)で見たほうがいい。

 

 


『スパイダーマン スパイダーバース』 4DXインターナショナル版トレイラー( trailer)