最近のショパン
相変わらずショパンを聴いているという前言を早々に翻すようだが、最近のショパンを自分は、聴いているというよりも聴いていないといえるのではないか。まだ聴き始めて半年かそこらなのだが、もうそれくらいの域に達している。ヘッドフォンを装着したうえでショパンが流れている、までは事実なのだが、ショパンを聴いているかというとほとんど聴いていない。何も聴きたくないときにショパンを流している、というのが実情に即しているようだ。
東京はいい町だが、すこしうるさい。それに対処するためにノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンを購入したという経緯があるので、このようにショパンを流しているのは当初の目的にかなった合理的方策だといえる。スタバは椅子と机が用意されていて本を読んだり作業をするのにちょうどいい店だが、すこしうるさい。だから今今もショパンが流れている。グッドミュージックだとか、卓抜した技巧だとか、わりと本気でどうでもいい。最近はそれぐらいショパンを聴いていない。たぶん邪魔な音がひとつもないからだろうと思うが、無音よりも静かで、ふとそれに気がついたとき、いつも驚いている。たとえば作業が終わったり、本を読み終わって帰ろうと思った瞬間にとつぜん音楽があらわれる感じで、ずっと流れていたはずなのにそのとき音楽がはじまったという気がする。これは誇張なんだけど、大体そんな感じ。OK！
